McInjunの日記

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プロコフィエフ ☆ ヴァイオリン協奏曲 第1番、他

リサ・バティアシュヴィリ(ヴァイオリン)

プロコフィエフの作品で、私が特に好んで聴くのは「ピアノ協奏曲第3番」です。その第2楽章の異国情緒のハーモニーとメロディは、プロコフィエフの魅力が詰まっており、素晴らしい作品だと思います。

さて、今回はリサ・バティアシュヴィリによるヴァイオリン協奏曲の2曲(第1番、第2番)をこちらのCDで聴いてみました。

彼女の独奏ヴァイオリンは見事に冴え渡って、思い存分スリリングに弾きまくり、圧倒されるほどの熱演です。特に協奏曲第1番の第3楽章は、先に述べたピアノ協奏曲の異国情緒がここでも楽しめるのです。何というか霊感を帯びた妖艶な雰囲気と美しさがミステリアスで、こんなにも怪しい雰囲気を醸し出せているとは! ピアノ協奏曲の第3番と同様に、プロコフィエフを満喫できるヴァイオリン協奏曲です。

次の収録されている協奏曲第2番ト短調は、作曲者がソ蓮を亡命していた頃から帰国後に作曲された作品であり、政治色を感じるショスタコーヴィチのような緊迫したニュアンスを感じます。リサ・バティアシュヴィリは、そうしたただならぬ作曲者の記憶を、見事な技巧で表現されています。

この2曲(第1番と第2番)は、このように全く音楽の性質が異なり、同じ作曲家が書いた曲とは思えないものです。1枚のCDでその違いをしっかり楽しめます。

指揮:ヤニック・ネゼ=セガン管弦楽:ヨーロッパ室内管弦楽団 録音:2015年7月と2017年2月