McInjunの日記

音楽と写真のブログです。

ブロムシュテット ☆ シューベルト「未完成」&「ザ・グレイト」

シューベルト交響曲第8番「未完成」& 交響曲第9番「ザ・グレイト」

シューベルト交響曲「未完成」と「ザ・グレイト」の二大傑作を堂々と鳴らし切ったマエストロ。とても90歳を超える指揮者だなんて、信じられないスケールがマックスなシューベルト

             

ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の名手たちの巧さを引き出し、緊張感のある円熟した「未完成交響曲」。このような「未完成」は、晩年のギュンター・ヴァントがミュンヘン・フィルを振った2000年9月以来のように思えます。僅か2楽章で終わってしまう交響曲ですが、シューベルトの苦悩と葛藤が凝縮された傑作作品を見事に聴かせてくれています。

そして交響曲第9番「ザ・グレイト」も「未完成」に劣らず、シューベルトの最高峰作品として、空間描写のスケールを大きく際立たせ、且つ感動的なシューベルトを披露してくれました。特に第3楽章は作者の儚い夢や希望をやるせなく響かせ、中間部トリオを涙なしでは聴けない程、叙情的に展開してくれました。私はこの「ザ・グレイト」の聴き処は第3楽章にあると思っています。そして最終楽章はオーケストラ的快活さを存分に発揮させ、力強く曲を閉じました。

これぞ、ヘルベルト・ブロムシュテット会心の極みであろう。