McInjunの日記

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マタチッチのモーツァルト

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モーツァルト ・アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618

       ・交響曲第25番ト短調 K.183

       ・交響曲第40番ト短調 K.550

ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮 ザグレブフィルハーモニー管弦楽団

 NHK交響楽団の名誉指揮者でもあるロヴロ・フォン・マタチッチ(1899-1985)のモーツアルトです。1971年2月26日のライブ録音ですが、1曲目に「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を取り上げてます。厳粛でありながらも極上の美しさを誇るメロディで歌われる聖歌は、あまりにも酷い詞の内容で、深く胸に突き刺さり憐むばかりです。

このライブでは2曲のト短調交響曲を演奏されてます。マタチッチのモーツァルトは珍しく、貴重な1枚だと思います。演奏は特に目立った特徴は感じられませんが、この時代のモーツァルト演奏としては、オーソドックスな正当なものに聴こえます。ただ驚いたのはザクセン・フィルが第40番では、思いのほかハーモニーが美しく鳴り出したことです。49年も前の記録ですが、ライブ発信されているような感覚に拐われます。

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マタチッチは日本には何度も来日されて、数多くの感動を与えてくれました。N響アワーなどでも昔はたくさん放映されました。いつもハンカチで額の汗を拭いながら、やや不格好な指揮姿でしたが、音楽はどれも骨太で男性的なものばかり。本当に好きな指揮者です。晩年はやはり、ブルックナー 指揮者としての地位を築いたと思われます。マタチッチが亡き後、チェリビダッケやヴァントがブルックナー を多く取り上げる時代がやってきました。皆、素晴らしい演奏を遺してくれましたが、私はマタチッチの音楽が自分の基準になっているようです。